みなさんの地域には、どんな神社がありますか?
お正月の初詣やお宮参り、七五三詣で、受験の際に合格祈願など、日本人にとっては身近な宗教の1つといえるのではないでしょうか。
また、恋におちたときや結婚を願うとき、難しそうなお仕事がうまくいくようにお願いするときやお金がほしいとき、人生がうまくいっていない感じがしてお祓いに行く人、パワースポット巡り、御朱印集めなど、さまざまな目的で神社を参拝する人も多いのではないでしょうか?
多くの日本人(私のうちも)は、神道の神棚と仏教の仏壇という2つの宗教が、同じいえの中に存在していることに対して、なにも違和感を抱かないほどに生活に馴染んでいるように思います。
注意※以下、諸説あります
- 神社や神さまがどちらかというと嫌いではない人
- そこまで詳しくなくても良いので、サラッと触れてみたい人
- 日本神話に少し興味が湧きそうな人
神道とは日本発祥の民族宗教で、特定の教祖や教えを持たない宗教で、自然や物、偉人などさまざまなものが神として祀られ、八百万(やおよろず)の神を祀っています。
※八百万(やおよろず)とは800万という実際の数字を表しているのではなく、数が多いことのたとえです
実は八宝菜の「八」も同じ意味みたいです(笑)
- 神さまの特徴や神話
- ご利益(ご神徳)
- 主要神社
鳥居があるところが神社で、仏像があるところがお寺だ!という見分け方をしている人もいらっしゃるかもしれませんが、実は鳥居は神社にだけ建っているものではなく、お寺に建っている鳥居も存在します。
これは神仏習合の名残りといわれていて、明治時代に神仏分離政策がとられるまで、神や仏は分け隔てなく信仰されていたことが起因しています。
造花の三神(ぞうかのさんじん)
「古事記」には、造花の三神(ぞうかのさんじん)という神さまが出てきます。
宇宙を創造した神さまで、このせかいがはじまったときに高天原(たかまがはら)にあらわれて、万物を生み育てたという、スケールの大きな三柱の神さまたちです。
高天原(たかまがはら)は、「古事記」に含まれる日本神話及び祝詞(のりと)において、天照大御神を主宰神とした天津神が住んでいるとされた場所のことです。
高御産巣日神(たかむすびのかみ) 有名な天照大御神と仲良し
「統治」を司る神さまとも言われています。
名の中にある「むすび」という言葉から、良縁をつなぐ神さまとしても慕われています。
八百万の神々の中でもトップクラスに位置する神さまで、天照大御神と共に度々重要な場面で登場します。
主要神社:高天彦神社(奈良)、天津神社(京都)、草岡神社(滋賀)など
ご利益(ご神徳):五穀豊穣、縁結び、開運
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ) 北極星の化身 神さまの中の神さま
「造花の三神」で、リーダー格とも言われています。
その存在自体は観念的であり、神話でもどんな役割を果たしていたのか?ということは、あまりよくわかっていないようです。
ただし、神道では全知全能の力を備えた至上神(至高の根源を司る神さま)として、考えられているようです。
ご利益(ご神徳):所願成就、長寿、開運招福など
主要神社:秩父神社(埼玉)、水天宮(福岡)、岡太神社(兵庫)など
別称:妙見菩薩
神産巣日神(かみむすびのかみ)
出雲系の神々を援助する祖神的存在であり、他の神々たちからは「御祖(みおや)」と呼ばれています。
性別のない独神(ひとりがみ)です。独神ですが子どもがいます。
出雲大社のご祭神である大国主神(おおくにぬしのかみ)が、命の危機に瀕した際、二柱の神さまを派遣し、助けました。
生成を司る神であり、高御産巣日神は天の属性、神産巣日神は地の属性を持っているようです。
ご利益(ご神徳):五穀豊穣、縁結び、延命長寿など
主要神社:出雲大社(島根)、足立山妙見宮(福岡)、東京大神宮(東京)など
神世七代(かみのよななよ)~
「造花の三神」が身を隠した後に現れたとされる
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)活力を司る神さま
天之常立神(あめのとこたちのかみ)天界の土台として現れた神さま
「造花の三神」の三柱に上記二柱を加えて、特別な存在として「別天神(ことあまつがみ)五柱」と呼ぶそうです。
この「別天神(ことあまつがみ)五柱」のあとに神世七代(かみのよななよ)の神さまが現れました。
☆個人的見解☆
「神セブン」の語源は、七福神よりも実はこの辺りなのかも!しれません。
伊邪那岐命(いざなぎのみこと) 愛妻家の神さま、子が超大物化
伊邪那美命(いざなみのみこと)日本神話のグレート・マザー
この二柱の神さまは、夫婦として語られるのが一般的なようです。
夫・伊邪那岐命と妻・伊邪那美命は、たくさんの神さまを誕生させました。
妻を連れ戻したい一心の夫の愛と、当然な妻の逆鱗に触れたことによる悲劇的なエンディング
このご夫婦は、妻のことが大好きな良き夫だったのですが、好き過ぎるあまり妻である伊邪那美命が亡くなったあと、「妻ともう一度暮らしたい!!と黄泉の国へ旅立った」ほどです。
しかし、このお話には続きがあり、黄泉の国でようやく再会できた妻の体は腐敗し、その恐ろしい姿に夫・伊邪那岐命は、なんと逃げ出してしましました。
自分を迎えにきたはずの夫が、みにくい姿を目にした途端に逃げ出した光景をみて、激怒し「地上の人間を1日1,000人ころす」と言い、
この発言を受けて夫・伊邪那岐命は、「ならば1日に1,500の産屋を建てよう」とこたえました。
☆個人的見解☆
そういう問題ではない気がするのですが・・・しょせん人間目線な可能性も!?
その後は、妻・伊邪那美命は、人間の死を司る冥界の神さまとなったのです。
これだけ聞くと妻・伊邪那美命は、悪者にみえてしまう人もいらっしゃるかもしれませんが、
亡くなった理由は、火の神さまである火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)を生んだ際の火傷が原因であり、
例え自分の命と引き換えにでも愛する我が子の誕生を優先させた慈愛に溢れた母親の神さまです。
伊邪那岐命(いざなぎのみこと:夫)ご利益(ご神徳):夫婦円満、商売繫盛、開運招福、延命長寿など
伊邪那岐命(いざなぎのみこと:夫)主要神社:伊弉冉神宮(京都)、江田神社(宮崎)、多賀神社(滋賀)など
伊邪那美命(いざなみのみこと:妻)ご利益(ご神徳):子宝、安産、縁結び、夫婦円満など
伊邪那美命(いざなみのみこと:妻)主要神社:伊弉冉神宮(京都)、江田神社(宮崎)、花窟神社(三重)など
菊理媛神(くくりひめのかみ) 神話史上最大の夫婦喧嘩を仲裁
夫・伊邪那岐命と妻・伊邪那美命の黄泉の国での口論は、黄泉比良坂で行われていました。
激しい口論の中、突如二柱の前に現れたのが、菊理媛神(くくりひめのかみ)でした。
それぞれの言い分を聞き、それぞれに伝え、夫・伊邪那岐命は納得し元の世界に戻り、妻・伊邪那美命もこれを追いかけることはなく、両神を説得によって、お見事な仲裁となったのです。
このことから、ご利益(ご神徳)がたくさん考えられるようになったようです。
ご利益(ご神徳):商談、縁結び、夫婦円満など
主要神社:白山比咩神社(石川)、白山神社(全国)など
天照大御神(あまてらすおおみかみ) 太陽が神格化された日本人の総氏神さま
伊邪那岐命(いざなぎのみこと:父)が黄泉の国から帰ってきた際、穢れを祓う禊(けがれをはらうみそぎ)として、左目を洗ったときに生まれたとされる神さまです。
特に詳細な説明も要らぬほど、知名度は高いようです。
神さまだって嫌なことが続くと滅入る!? 天照大御神、引きこもり事変
須佐之男命(すさのおのみこと)という大そう暴れん坊な弟がおり、
天照大御神の統治する高天原(たかまがはら)でもやりたい放題でした。
そんな須佐之男命(すさのおのみこと)に大激怒し、天岩戸に隠れてしまいました。
太陽の神さまである天照大御神が隠れてしまったことにより、空は暗くなり、作物は育たず、人々は元気を失っていきました。
他の神々が天岩戸の前で宴をひらき、気になった天照大御神が出てきたことで、日本は明るい土地に戻りました。
ご利益(ご神徳):国家泰安、開運、長寿など
主要神社:伊勢神宮内宮(三重)、皇太神社(全国)、神明社など
豊宇気昆売神(とようけひめのかみ) 伊勢神宮は、外宮から参拝しましょう
名の「うけ」は食物のことであり、食物全てに関わる神さまです。
豊かな食物をもたらし、特に稲の豊穣を司る女神さまです。
天照大御神は、生きるために必要な食物を司る神さまの存在は、とても重要だと、丹波国の神さまである豊宇気昆売神を伊勢の地に迎えました。
ご利益(ご神徳):五穀豊穣、開運招福、厄除けなど
主要神社:豊受大神社(京都)、伊勢神宮外宮(三重)、東京大神宮(東京)など
※私は2015年の夏に1泊2日高速バスツアーで、伊勢神宮(外宮・内宮)を参拝しました
「出雲系」とも言われる神々
須佐之男命(すさのおのみこと)
伊邪那岐命(いざなぎのみこと:父)が黄泉の国から帰ってきた際、穢れを祓う禊(けがれをはらうみそぎ)を行った際、鼻の中から生まれたとされる神さまです。
名の「すさ」には、荒ぶ・すさまじいという意味で、その名の通り勇ましさで知られている神さまです。
特徴がネガティブに出過ぎてしまい高天原(たかまがはら)を追放されてしまいました。
しかし、出雲に降り立ったあと、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治し、英雄になりました。
ご利益(ご神徳):必勝祈願、縁結びなど
主要神社:熊野神社(島根)、須我神社(島根)、氷川神社(埼玉)など
大国主神(おおくにぬしのかみ)
須佐之男命の子孫であり、名も立派ですが、実は八十神ら兄神たちからいじめられるおとなしい神さまでした。
しかし、須佐之男命から刀と弓をもらうと性格が一変し、どんどんたくましく成長していったと伝えられています。
また、優しい心を持っている出雲神話「因幡の白兎」(怪我を負ったうさぎに治療を施した)が有名なようです。
そんな大国主命ですが、実は六柱もの姫神と結ばれ、プレイボーイとしての一面もありました。
驚くべきは、なんと正妻との間でトラブルはなく、ご利益(ご神徳)の一つの人気といえるかもしれません。
殺「神」事件から奇跡の生還!?
「因幡の白兎」で救った兎の予言通り、八上比売(やかみひめ)と結婚します。
しかし、自分たちも八上比売(やかみひめ)にプロポーズしていた大国主神の兄神たちは、嫉妬で激怒し、
あろうことか、大国主神を二度も殺してしまいますが、母神などによって助けられ、蘇生しました。
ご利益(ご神徳):縁結び、夫婦円満、国家安泰など
主要神社:出雲大社(島根)、気多大社(石川)、神田明神(東京)など
蛤貝比売(うむぎひめ) 𧏛貝比売(きさがひひめ) 奇跡の生還の名医
大国主神の命の危機に神産巣日神(かみむすびのかみ)によって、遣わされた二柱の神さまです。
蛤貝比売(うむぎひめ)はハマグリ、𧏛貝比売(きさがひひめ)は赤貝が、それぞれ神格化した神さまです。
二柱の神さまは、天界から降り立つやいなや、自分達の貝殻を削ってできた粉に水を混ぜて練り、薬を作ったのです。
それを傷口に塗って、大国主神は無事に復活しました。
※ハマグリの貝殻を削った粉末は、「文蛤」という漢方薬として用いられています
ご利益(ご神徳):病気平癒、延命長寿など
主要神社:出雲大社(島根)、法吉神社(島根)、岐佐神社(静岡)など
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)伊邪那美命(いざなみのみこと)の意外な子供たち
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ) 稲荷神社
神社の中でも全国各地に数多くあり、代表的な親しみのある存在ともいえる稲荷神社です。
宇迦之御魂神は、食物の神さまで、特に稲の神霊であるとされ、五穀を司る神さまとされています。
きつねが稲荷神と勘違いされている人もいらっしゃるかもしれませんが、きつねは稲荷神の使いとされる霊獣です。
きつねは、穀物を荒らすネズミを捕って食べることから、神の使いと考えられるようになったようです。
ご利益(ご神徳):五穀豊穣、厄除け、開運招福など
主要神社:伏見稲荷大社(京都)、小津神社(滋賀)、全国各地の稲荷神社など
事代主神(ことしろぬしのかみ)恵比寿(えびす)さま 七福神の日本の神さま
父は、出雲の国をつくった大国主神と言われています。
釣りがとても大好きで、そのことから海と関わりの深い「えびすさま」と同一視されるようになりました。
えびすさまとは、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の子で、七福神では唯一の日本の神さまです。
めでたい鯛を小脇に抱いているのが、特徴です。
☆個人的見解☆
めでたい鯛・・・
言葉遊びの「洒落」とは、本来貴族の知識と教養を示す気の利いたものであったそうです。しかし、これに価値を認めることのない、程度の低いものの揶揄を込めて「駄」の文字を冠され、「駄洒落」となったようです。
駄洒落なら私もすきです!力作の3選をどうぞ
・神社にエールをジンジャエール? ・冬でも神SUMMER?? ・神話に親和性を感じました
これらが、おもしろいかどうかについても諸説あります(笑)
ご利益(ご神徳):豊漁、航海安全、五穀豊穣、商売繫盛、家内安全など
主要神社:美保神社(島根)、長田神社(兵庫)、三島大社(静岡)など
鬼滅の刃ファンの皆さん必見の神さま!?もいます
「柱」の文字に心躍った皆さん、お待たせいたしました。
単行本1巻の幕間 大正コソコソ噂話 のタイトル候補で
原作者のワニ先生(吾峠呼世晴先生)が「カグツチとは火の神さま」と記載あります。
火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)
母である伊邪那美命(いざなみのみこと)より生まれる際にやけどを負わせてしまい、不本意ながら亡くなってしまう原因となってしまった火の神さまです。
愛する妻の亡くなる原因となってしまった火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)に激怒した父である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)は、
火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)を斬殺してしまいました。
その血から甕速日神(みかはやひのかみ)や建御雷神(たけみかづち)など、八柱の神さまが生まれ、遺体からも更に八柱の神さまが生まれました。
「輝くように燃え上っている」という名の意味を持つこの神さまは、鍛冶や温泉、陶芸の神さまとしても信仰されています。
☆鬼滅の刃☆ 注意※あくまで個人の見解です
ヒノカミ神楽や日の呼吸
禰豆子(ねずこ)の血鬼術と「雷の呼吸」善逸(ぜんいつ)を使う二人が結ばれた理由
アニメでも大好評で放送されました「刀鍛冶の里編」に出てくる鍛冶・温泉・上弦の伍 玉壺の壺、などの関連性
ご利益(ご神徳):火難除け、鎮火、防火など
主要神社:秋葉神社(静岡)、愛宕神社(京都)、火男火売神社(大分県)など
火雷神(ほのいかづちのかみ)
亡くなったあとの伊邪那美命(いざなみのみこと:妻)に宿った八柱の雷神の総称である、というのも諸説ある中の1つです。
雷は大量の雨を降らせるため、農耕が発達すると、作物の育成を助ける大事な神さまとして、ご利益(ご神徳)を授かれると広く崇敬されてきました。
☆鬼滅の刃☆
雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 しか使えなかった善逸(ぜんいつ)が、鬼に堕ちた兄弟子 獪岳 を討った 漆ノ型
ご利益(ご神徳):五穀豊穣、農業守護、落雷除けなど
主要神社:葛木坐火雷神社(奈良)、火雷神社(群馬)、角宮神社(京都)など
まとめと独り言
以前テレビで、ギリシャ神話をユーモアたっぷりに語る人のお話を聞いて、
正直、神話なのになかなかブッとんでいる世界観!(笑)おもしろい!!!
と思ったのですが、今回日本神話をはじめて勉強させていただき、日本も負けず劣らずおもしろい!と思いました。
神話とは、もっと堅苦しいお話だと、勝手に思い込んでいました。
皆さんはいかがでしたか?
※個人的には、大神 ≒ オオカミ 説もスキです。
呼んだー?
最後までお読みいただき、ありがとうございます。肉食動物に挟まれています!
四打(よんだ)♡笑