ホリデーブルースってやつだね!
周りが楽しそうだとよりパンチを浴びせられた気分になりがち
こんにちは!今回のテーマは「週末うつ」についてです。
ここで唐突ですが、皆さんに質問です。誕生日などはさておき、誰にとっても一年で一番ハッピーな期間っていつだと思いますか? はい、その通りです。クリスマス~年末年始というホリデー目白押しな1週間ですね。
このタイミングは誰もが幸福や穏やかさを感じながら過ごせているかと思いきや、マイナスに感情が働いてしまう人もいると思います。皆さんはホリデーシーズン中に、気分の落ち込みや孤独感、不安やストレスを感じることはありますか?
これは「Holiday Depression (ホリデー鬱)」「Holiday Blues (ホリデー憂鬱)」と呼ばれるものです。
日本ではもう少し広義的に「週末うつ」「休日うつ」と呼ばれたりしています。何気ない週末も負担に感じる人が多いのです。早速詳細を書いていきます。
- 折角の休みなのにいつもやる気が出ない人
- 年末年始にひどく落ち込んでしまうことが多い人
- 「週末うつ」や「ホリデーブルース」という言葉になぜだかビビビと感じた人
週末うつとは? ホリデーブルースについて知る
休日は、喜びやインスピレーションが巻き起こりやすい日でもありますし、愛する人との大切な時間でもあります。ただし、一部の人にとっては、悲しみと反省をもたらすこともあるのです。それは何気ない週末もそうですし、ホリデーシーズンと呼ばれる11月~1月辺りにも多いと言われています。
この現象に関するデータはそこまで多くないようですが、調査によると「週末うつ」はストレスや不安に対する反応であるということが示唆されています。 休日などに付随する期待などは、ストレス、不安、失望、後悔、不幸などにつながることがよくあります。
休みを謳歌する人も多い一方で、一部の人々は、この時期に深刻な孤独を感じたり、ネガティブな気分や感情になったりします。過去の反省をし過ぎることも、週末うつの一種と言えます。
大事なポイントとして、週末うつは通常一時的なもので、自然に治る傾向があります。とはいえ、対処せずに放置すると悪化し、最終的には臨床的なうつ病を引き起こす可能性があります。実際のところ、既存の精神疾患を持っている人が、休日うつを経験している場合が多いことを忘れてはいけません。
「休日うつ」は「臨床的なうつ病」や「季節性情動障害(冬季うつ病)」とは別物です。精神疾患としてしっかりと認められていない点が難しいところです
休日うつ 症状は色々なものがあります
「休日うつ」「週末うつ」と一言で言っても症状はさまざまです。
例えば、休日における絶え間ない絶望感と悲しみは、週末うつの最も一般的な症状です。ただし、これについても期間や強度は人によって異なります。
週末うつの一般的な症状は下記の通りです。「休日やホリデーシーズンに関連するネガティブな感情」を抱くことがある方はセルフチェックをしてみてください。強く当てはまるものがある場合、週末うつの可能性があります。
- ストレスと不安
- 継続的な気分の落ち込み
- 疲労と倦怠感
- モチベーションやエネルギーの欠如
- 孤立感や孤独
- 欲求不満または過敏症
- 食欲、体重、睡眠の変化
- 絶望感や無力感
- 罪悪感や「自分は無価値だ」という感情
- 集中できない
- 快楽活動を楽しむことができない
週末うつ 原因は主に4つ
では、いざ週末うつの症状が当てはまっているとして、その原因はどこにあるのか。
こちらに関しては、複数の原因が重なることで発生する可能性もあります。一般的な原因を1つずつ書いていきますので、自分自身の心当たりと一致していないかをチェックしてみてください。
①非現実的な期待
愛している人への不合理な期待を持っていたり、またはそれに応えようとすることが、週末うつの主な原因になっている可能性があります。
ここでいうところの「期待」とは、クリスマスや休日を楽しく過ごせるかどうか等に起因するものです。家族や友人にそのような負担をかけて、期待に応えてもらえずに失望する。または負担をかけられて、期待に応えられずに失望される。あなたの元に休日がやってくる際、こういった憂鬱な感情も一緒に運んで来ることになります。
他人の非現実的な期待に応えようとすると、心身における健康関連の生活の質に悪い影響が及ぶという研究もあります。
期待に溢れてワクワクすることこそ休暇の本質ではありますが、過度な希望を持つのは禁物です。また、残念なことに、現代社会において、休日やホリデーシーズンはすこぶる商業化されているため、そういった社会からも陽気に幸せに過ごさなきゃいけないというプレッシャーをかけられている側面もあります。より一層にストレスとフラストレーションを感じる状況に陥りやすいところはあります。
②反芻
休日があると、そこは一区切りになります。それこそ年末年始であれば、心機一転の心は不可避です。そして、そのタイミングで多くの人は自分の人生、過去、およびその年について反省し、反芻する傾向があります。
反芻が悪い方向に転んでしまうと、失敗、後悔、失望、悲しみなどの複雑な感情につながることがよくあります。
反省することは悪いことではありませんし、私たちはそうやって成長していきます。けれど、こちらに関しても過度な反芻は良くないよねという話になります。研究によると、反芻は不安と正の相関であるということがわかりました。反芻すればするほど、私たちの心の中にある不安は大きくなってしまいます。
③孤立
孤独感や社会的孤立が、特にホリデーブルースと密接に関連しているということが研究で明らかになっています。
社交の場で過ごす時間が減ったり、友人との交流が減ったりすることで、そういった休日に何もしたくなくなる気持ちを引き起こしている可能性があります。
家族や友人から離れている、パートナーが亡くなっている、休暇シーズンに一人で過ごしている、これらの原因が心身の健康に影響を与えているというのは容易に想像ができると思います。特にクリスマスなど、他人と充実感を比べがちな休日は要注意です。
④経済的なストレス
休暇シーズンは出費をしがちです。経済視点におけるストレスは週末うつを引き起こす可能性があります。
ほとんどの人は休日および休暇に予算を超える支出を計画してしまう傾向があり、パートナーへの贈り物を買ったり、旅行に行ったり、経済的に苦労することがあります。
休暇シーズンにおける経済的ストレスのほとんどは自分で課したものになりますが、適切な計画の欠如、物質的な贈り物への集中、誰かとの競争、高い社会的期待などが原因とも言えます。これらはすべて、週末うつを引き起こしたり、悪化させたりする可能性があります。
他にも、アルコールの大量摂取、暴飲暴食、睡眠不足なども原因になり得るよ
家族とうまく気持ちをフォローし合うのが大事だね
- 非現実的な期待
- 反芻
- 孤独感や社会的孤立
- 経済的なストレス
- アルコールの大量摂取
- 暴飲暴食
- 睡眠不足
週末うつ 対策するための主な方法
症状も当てはまり、原因についても心当たりがあるようならば、いよいよあなたはホリデーブルースの中にいるかもしれません。一時的なものだと言われているとはいえ、悪化させるのは危険です。
臨床的なうつ病または季節性情動障害だと医師によって診断された場合は、抗うつ薬を処方したり、心理療法の介入を勧められたりします。しかし、週末うつに関しては精神疾患として特定されている病気ではないために、特別な治療法がない点が難しいところです。
とはいえ、対策方法がないわけではありません。認知行動療法 (CBT) と対人心理療法 (IPT) などが週末うつに有効な治療法であると言われていますし、もし症状を重く感じるようであれば、カンセラーやセラピストなどを頼ることも重要です。
そして、自分自身の生活習慣や思考回路を変え、改善していくことも十分に可能です。休暇シーズンに関連するストレスを乗り越えていくために役立つ方法をいくつかご紹介していきます。
①アルコール摂取を制限する
アルコールは気分を落ち込ませ、あなたに悪影響を及ぼす可能性があります。休暇シーズンはお酒を飲み過ぎる傾向もありますが、過度な飲酒は回避してください。
完全に喉が乾くほどに制限する必要はありませんが、例えば1日のアルコール消費を1~2杯に制限することで、より上手く感情を調整できるようになります。
②孤立を避ける
休暇中に自分を孤立した状況を作ってしまうと、週末うつが悪化する可能性があります。特に家族と離れた場所に身を置くのは危険です。
なるべく家族と一緒に過ごしましょう。どうしても家族と過ごすことができない場合、友人や同僚に手を差し伸べてもらうことも非常に有効です。それさえも叶わない状況の場合、勇気がいることですが、ボランティア活動などの社交機会がある場所へ赴くのも良いかもしれません。
③躊躇せずに「いいえ」と言う
孤立しないことも大事ですが、予算を超える集まりに参加することも自分を無理させてしまう集まりに参加することも、余計に症状を悪化させてしまう可能性があります。
自分自身の境界線をしっかりと確立し、自分自身と自分のニーズを優先することが重要です。自分の限界を知り、予算内に留まることも大切に、望まない参加にはハッキリと「ノー」と言っていきましょう。
④現実的な期待の中で生きる
私たちは到達可能な期待を持つように心がける必要があります。物質的なプレゼントで周りを幸せにしようとする代わりに、人間関係を育てることに集中しましょう。
絵に描いたような完璧な休暇を過ごそうとせずに、大切な人とより多くの時間を過ごし、無理なく休暇シーズンを楽しんでください。
⑤自分の時間を作る
休日は大切な人と一緒に過ごすことが大切な一方で、それが負荷となるようであれば、自分の必要に応じた時間を見つけることも重要です。
ヨガをしたり、温かいお風呂でリラックスしたり、良い本を読んだり、お気に入りの音楽を聴いたり、自分だけの時間を過ごすことで、心身のセルフケアを実践してみてください。
簡単かつ楽しめることをすることで、ストレスレベルを軽減し、気分を改善することができます。
あとは定期的な運動、休暇に対する事前準備なども大切です
栄養のある食事、十分な睡眠もね。健康的な生活習慣はいつだって正義
- アルコール摂取を制限する
- 孤立を避ける
- 躊躇せずに「いいえ」と言う
- 現実的な期待の中で生きる
- 自分の時間を作る
- 定期的な運動
- 休暇に対する事前準備
- 栄養のある食事
- 十分な睡眠
週末うつ 治療して完全に取り除くことも大事
今回は以上です! 誰かの参考になっていれば嬉しい限りです。勝手ながら、一人でも多くの人が週末を自分のペースで過ごせることを願っています。
週末うつは、時にひどく打ちのめされるような気分になることがあります。これは前述したように、短期間の状態であり、症状は時間とともに自然に消える傾向があります。
しかし、自分で症状に対処できない場合、明らかに悪化の一途をたどっていると感じる場合は、メンタルヘルスの専門家に相談することをお勧めします。適切な診断を下してもらい、しっかりとあなたのニーズに合わせた治療計画を立ててくれるはずです。
自分自身できることをやってみる、家族や友人に頼ってみる、専門家に相談してみる、休暇シーズンに伴うストレスや不安にうまく対処していきましょう。
自分にあった休暇の過ごし方、負担のないスタイルを作っていきましょう