カルマの法則とは、自分の善い行いも悪いも行いもいずれ自分に返ってくるよ!という説明は本当に多いんですが、そもそもの意味をご存知でしょうか?
サンスクリット語では、「行為(行い)」、そしてその行いの結果によって蓄積される「宿命」と訳されるのが業(カルマ)です。
今回は、そんなヴェーダ哲学の根本思想であるカルマの法則について、わかりやすく解説していきます。
ヴェーダ(インドの古典的宗教文書)では、カルマの法則を理解すると人々はあらゆる苦しみから解放されると説きます。なぜなら、カルマの法則を理解することで、真実を生きることになり宿命(逃れられないネガティブな運命)を乗り越えることができるようになるからです。
この記事では、カルマの12の法則、そして、これらの教えに沿うことでどうやって逃れられないネガティブな運命を正し、人生をよりベターなものにしていくかを探っていきましょう。
- カルマについて知りたい人
- 生まれ変わり、前世の概念が好きな人
- カルマの法則を人生に活かしていきたい人
カルマとはなにか?
まずはカルマとは何かというのを明確にしてみましょう。
カルマ=行動
カルマはサンスクリット語で、「行動」または「行為」を意味します。そのアクションの中でもさらに、伝統仏教において、カルマとは、未来の結果につながる意図をもってなされる「行動」を指します。
各行動は、カルマの4つの要素の反映をもとに、分析されうると考えられます。
4つの要素
その4つの要素は以下になります。
- 行動の対象
- 動機
- 行動そのもの
- 判断=為された行動における態度
これらカルマの4要素を組み合わせることで、どのような行動がなされたのか、将来にどんな結果をもたらすのか、さらに行動(原因)の結果をどれだけ早く享受するかが決まります。
カルマは罪や罰ではないけど・・
重要なのは、カルマは罪や罰ではありません。ただし、そのような解釈も可能になっていきます。
なぜなら、カルマとは人がどのような人生を送っているかに基づいてもたらされる結果だからです。(悪いことをしたらそれに応じたものが返ってくる的な考え)
ただし、ここに運命決定論的な神の意思は作用しません。なので、ぼくらはみんな自分にとって最善なことは何かを決めることができ、さらに今の人生と生まれ変わった未来(転生)への運命に影響をあたえるために行動を自由に決めることができます。
つまり、言いたいことは、カルマは罪や罰ではなく、自由意志に基づいた(自分で選んだ)行動によってもたらされる結果ってことだよ。
カルマの本当の意味と4つの要素
先ほど登場したカルマについての4要素を詳しくみていきましょう。
①行動の対象
行動を分析し、評価する最初のものが行為の対象です。簡単に言えばつながりです。
人や生きとし生けるすべてのものとの交流は、カルマティックなつながりがあるからだと考える人もいます。
ヴェーダ経典(古代インドの宗教文書)は、私たちが出会う人、ふと見かける人、視界に入るすべての生き物とカルマティックなつながりがあると考えます。
逆を言えば、コネクションの濃淡はあれど、人生でカルマティックなつながりを持たない人やものはありません。
一般的には、お店でちらっと視線が合う程度の人はカルマのつながりが弱く、両親は過去世との結びつきがつよくカルマが強いといわれます。
そんなこともないんだろうけどね。笑
②動機
カルマの2つ目の要素は「動機」です。
逆説的に行為そのものは同じに見えることがよくありますが、その行為がどのような意味をもつか、どのような特徴があるのかを決定づけるのは動機になります。
例えば、座禅の先生が、生徒におしえるためにアグレッシブな方法をとるようなことを耳にしたことはないでしょうか?
禅マスターが警策で肩をたたいたり、宗派によっては声をかけて思考を遮断したりします。叩いたり、邪魔をする行為そのものはひどくうつるかもしれませんが、この行為の背後にある動機は教育するという意味においては適切なものです。
禅マスターたちは、自分の怒りやフラストレーションから生徒を傷つけるわけではなく、思いやりの気持ちをもってその行動を選びます。つまり、生徒の内側の旅路をサポートすることです。
このような動機ではなく、もちろん人生では、怒り、憎しみ、嫉妬を動機とした暴力も存在します。この場合、バッドカルマを生み出します。
同じ行動でも、全く異なる動機によって、グッドカルマかバッドカルマかに分かれます。
③行動のそのもの
次に行為、行いそのものです。
一般的には、もし何かダメなことをする意図をもってしようとしても、コントロール不可の状況でそれを実行できなかった場合、行為そのものは行われなかったためノーカウントだ。と信じられています。
しかし、行為そのものが実際に為された為されないにかかわらずカルマの影響はあると聖書では考えます。
05:21「あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。 05:22しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。
(マタイによる福音書第5章21節、22節)
よって、誰かを殺めたいという願望をもっていたとして、例えば、身体の弱さや罰を受ける恐れから実際にはそうしていない場合、これはその人の意志ではなく単なる偶然です。
もし、状況が違っていたら(殺人は別に罰せられないとかね。)、欲望に忠実になっていたことでしょう。
05:27「あなたがたも聞いているとおり、『姦淫するな』と命じられている。05:28しかし、わたしは言っておく。みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである。
(マタイによる福音書第5章27節、28節)
繰り返しですが、悪いことを実行しないからといって、人が責任から解放されるわけではないという事実をこれらを伝えています。
したがってカルマは、身体、心、そして言葉の3つのレベルに蓄積されることを心にとどめておく必要があります。頭の中で誰かを「処刑」した場合、それが物理的なレベルでも為されたとイコールで結びつきます。
これは現代科学でも証明されつつあります。神経科学者のジェレミーベネットによると、我々の脳は、現実の出来事とと頭の空想による区別をせず、すべて同じように反応を示します。カルマもこれに当てはまります。
④行動への態度
これはカルマを構成する最後の要素になります。
例えば、両親に悪意や卑劣さを動機としてもって、ひどいことをしたとしましょう。その後、自分が間違ったことをした。と反省し、心から悔い改めたとします。
これはバッドカルマが軽くなります。
ところが反対のことももちろん機能します。
例えば、寄付をしたがそれが利己的なモチベーションに紐づけられていたとします。つまり、カルマの法則を学び、グッドカルマを作ることを利己的に期待してお金を寄付した場合、結果として得る報酬は、かなり遅れるか期待よりも少なくなるでしょう。
これは簡単に言えば、お金を寄付すると良い人に周りからみられるから寄付するみたいなやつですよね。確かにグッドカルマを積むというよりは、それ自分のエゴを育てる手段に寄付を選んだだけでしょってなります。
12のカルマの法則を理解して悪いカルマを清算しよう
スピリチュアルな世界ではすべてはエネルギーと考えます。思考や感情、行動もエネルギーです。それはポジティブなものであるにせよネガティブなものであるにせよ必ずあなたのもとへ戻ってきます。
12のカルマの法則は、不要なカルマを変えて、良いカルマをつくるステップを教えてくれます。これにより私たちは、思考、感情、行動や行いに気を配り、自分と他人にとってより最高で最善な人生を創造することできます。
1.基本原則(原因と結果の法則)
原因と結果の法則で、カルマの法則!というとこの意味合いをよく耳にするでしょう。
自分が蒔いた種は、自分刈り取ります。また、あなたが与えるものはあなたが得るものです。
ポジティブな考えや行動をすれば、ポジティブな結果が得られます。否定的な考えや行動を出すと、否定的な結果がもたらされます。
2.創造の法則
私たち1人1人が宇宙の一部でありそこに参加する必要があることを思い出させてくれるのがこの法則です。
私たちはみな、共同創造しています。大小の程度はあれど、人生、この地球、そしてこの宇宙全体で起こることすべてに責任があります。
皆が作るカルマによって社会の発展に影響を与えます。現実を調和のとれた方法で共同創造する責任が私たちにはあるそうです。身の回りの現象は、自分が意識的であれ無意識的であれ、そこに加わった結果ってことです。
3.謙虚さの法則
いま目の前にある現実は、過去の行動の結果です。つまり、状況を受け入れることによってのみ、その現状を変えることができます。
そのためには、スピリチュアルな(エネルギー面での)気づきを得てみましょう。今の現状に注意を払うこと、気づくことで結果が変わります。
今現在、ネガティブな望ましくない状況にいるのであれば、急いて他人を非難しないでください。代わりに、謙虚になり内側をみつめてみましょう。そうすることで学ぶべき学びがみつかりカルマが変わります。
4.成長の法則
私たちが進化し、変化するにつれ、現実は拡大し、結果として現れます。精神的なスピリチュアルな成長は、人生のあらゆる領域を変えます。
それゆえ、現実を無理やり変える必要はありません。自分から始めましょう。自分がコントロールできるものだけを変えるのです、すなわちそれは他人ではなく自分です。
5.責任の法則
あなたはあなたが選択した産物であるという法則です。つまり、今の自分の人生と未来の自分の人生において、自らが責任を負えます。
あなたの人生に起こるすべての原因が、あなたにあります。他人、親、会社の仲間、社会、政府を無駄に責めるのはやめてみては?
6.つながりの法則
過去、現在、未来はすべてつながっています。
過去行ってきたことはすべて、現在を導いています。今日行っていることはすべて、未来につながります。
未来の質(将来どうなるか)は、今どんなエネルギーを注いでいるかの質によります。もし、否定的な態度をとっているのであれば、それは将来否定的な結果をもたらすでしょう。
7.フォーカスの法則
一度に二つのことにフォーカスすることはできないと教えてくれます。同時に多くのことにスポットライトをあてすぎると、スピードが鈍化し、生産性が低下します。
1つのことに集中することで、多くのことを成し遂げ、予想以上の結果がもたらされます。
マインドフルネスにつながるんですよね。
8.信念の法則
自分が真実とする信念や行動方針に従うことがこの法則の教えです。
今のあなたの行動を、あなたの最も深いレベルの信念と一致させましょう。愛とやさしさあふれる人に囲まれたいのであれば、他人へのやさしさと愛を育むことにフォーカスする必要があります。
あなたにとって最高の価値観を考えて、それを人生の真実として適用してみてください。
9.今ここの法則
過去を後悔したり、未来を心配する代わりに、今ここに集中してみましょう。過去や未来を必要以上に考えすぎると、今に注ぐエネルギーがそがれます。
すべてのネガティビティは、心の産物(過去への執着など)と今を否定することによってもたらされます。恐れ、つまり、不安、緊張、ストレス、心配はすべて未来を必要以上に考えすぎて、今ここにいないことでもたらされます。憤り(許さないという決意)、つまり、罪悪感、後悔、恨み、不満、悲しみ、苦痛は、過去を必要以上に憂い、今ここにいないことでもたらされます。
エックハルト・トール
10.変化の法則
レッスン(学び)に気付き、よりベターなアプローチに変えるまで、状況は変わらず、同じパターンを繰り返します。悪循環をやめるには、より本当のあなたらしい選択をしましょう。
11.忍耐と報酬の法則
忍耐強くあることの大切さ、そして報酬を得るためだけにカルマをつくるのではありません。
人生のなかで気づきや学びを得るプロセスにこそ真の価値があります。その報酬はつねに適切なタイミングでやってきます。
12.良質さとインスピレーションの法則
私たちはみな、例外なく、世界と分かちあうことのできるユニークなギフトをもつとこの法則は伝えます。
つまり世界にポジティブな影響をみんなが与えることができます。あなたにとって最高の目的に沿って人生を送ることで、強さとエネルギーで満ち満ちたあなたになります。
エネルギーを注ぎこむとすべてあなたに返ってきます。愛をもって世界に貢献&奉仕することであなたはその報酬を受け取るでしょう。
カルマを活かして人生を創造してみよう
日本では、神様の天罰や報酬、運命決定論として登場するのがカルマです。
つまり先祖の行いが良くなかったらから、前世で犯罪をしたから、今の人生が最悪だ。とか、逆に前世で人にめちゃくちゃ良いことをしたから、ラッキーな人生だとかいう解釈です。
しかし、古代インド人たちはおそらくですがエネルギーの性質を理解していたため、罪と罰ではないと教えています。
なぜなら、エネルギーは全レベルに作用するため、目的と意志をもってそれを物理世界で創造することで、自らの人生をクリエイトできるパワーがあるからです。これが個人的に考えるカルマの法則です。
自分がやりたくないことに正直になり、自分にとっての真実に素直になれば、みえない世界もみえる世界もそこに呼応するよというのがおそらく先人たちの伝えたかったことなのかなと紀元前のいたかいないかわからないおっちゃんやおばちゃんに想いを馳せてみます。
まあ、当然ちゃあ当然ですよね。
というわけで、今日ぼくはこれからお金持ちになるため、コンビニの募金箱にありったけの小銭とお札をインしてきますw
みなさんはカルマとはどんなもので、どうカルマの法則を活かしていきたいと思いますか?質問や意見があればコメントにてお待ちしております。